古材の価値と可能性を広く伝えるために制定された「古材の日」に合わせ、「KATARITSUGI(かたりつぎ)」プロジェクト第一弾となるモデルハウスを神奈川県足柄上郡開成町にオープンしました。
KATARITSUGI(かたりつぎ)プロジェクトとは
小田急不動産株式会社と連携し、日本各地の良質な古民家を小田急沿線に移築・再利用できる仕組みを普及させ、後世に継承すべき古民家や、古き良き暮らしを次の世代へ語り継ぎ、新しい暮らしを提案するプロジェクトです。
本プロジェクトの第一弾として、神奈川県開成町にある築約160年の古民家の構造材を活用した平屋モデルハウスを、2025年5月31日にオープンしました。
「KATARITSUGI」は、古民家の歴史や所有者の想いを次世代へ受け継ぐとともに、貴重な建築資材を活用することで廃棄物を削減し、温室効果ガスの排出抑制にも貢献する、循環型社会の形成を目指すプロジェクトです。
当協会では、古民家の価値を次代に伝えるための取り組みとして、本プロジェクトを積極的に支援してまいります。今後も持続可能な循環型建築社会の創造に向け、全国の地域と連携しながら取り組みを進めてまいります。
【関連リンク】
「KATARITSUGI」プロジェクト 特設サイト
https://www.odakyu-chukai.com/kataritsugi/
小田急不動産株式会社 公式サイト
https://www.odakyu-fudosan.co.jp/
住まいの選択に「エシカル消費」を
本プロジェクトでは、古民家の古材に加えて、その地域における伝統家屋のストーリーを受け継ぐことで、地域経済の活性化や環境保護に貢献する倫理的消費(エシカル消費)行動を喚起し、「エシカル消費」行動を住まい選びの選択肢として提供します。
なお、小田急不動産では、本モデルハウスを運営するとともに、小田急不動産と全国古民家再生協会が連携し、古材を利用した注文住宅の施工会社のご紹介や、土地の仲介と販売をサポートします。
炭素貯蔵量について
「古材」の利用を通じ、廃棄物削減やCO2の排出抑制につながり、循環型社会の形成を推進します。
なお、本モデルハウスで用いた古材を含む木材全体の炭素貯蔵量は、杉の木換算で41本分に相当します(林野庁「建築物に利用した木材の炭素貯蔵量の表示ガイドライン(令和3年10月1日付)」に基づき計算) 。
モデルハウスの概要(小田急不動産株式会社)
所在地:神奈川県足柄上郡開成町みなみ3丁目2-3
面積:245.6m2(土地),130m2(建物)
構造:木造平屋(建築基準法上は木造2階建)
HP:https://www.odakyu-chukai.com/kataritsugi/



建築資材をリユースする考え方
2023年の住宅・土地統計調査によると、日本の空き家数は約900万戸に達し、過去最多を記録しました。空き家率は13.8%で、30年間で約2倍に増加しています。特に「賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家」が385万戸と増加傾向にあり、適切な管理が求められています。
この空き家の中には、再利用可能な資材が多く含まれており、当協会では建築資材をリユースする取り組みに力を入れています。

安心・安全に古材リユースを一般的に
古材の流通にはこれまで、下記の課題がありました。
①安定供給が難しい
②保管スペースが大きく必要
③強度・品質の信頼性確保
この課題に対して当協会は循環型建築ネットワークと連携をおこない解決を図ります。
①安定供給が難しい
空き家古民家解体時に近隣の古材倉庫にて保管・整備をおこなうことで安定供給を実現。
②保管スペースが大きく必要
各地の古材倉庫は廃倉庫の利活用もおこない保管スペースの確保を実現。
③強度・品質の信頼性確保
古材の採取後、品質検査をおこない、ヤング係数・含水率の計測等の品質を担保をおこなうとともに古材のNFT化(2025年度実装予定)でエンドユーザーまで古材履歴の担保を実現。
現在、古材リユースの取り組みをおこなう事業者の募集もおこなっています。