ご挨拶

このたび、一般社団法人全国古民家再生協会の理事長を拝命いたしました村田智仁です。

私たちの活動は、2008年に古民家鑑定士資格制度が始まったことを契機に、古民家に情熱を持つ方々が各地で一般社団法人古民家再生協会(地域法人)を設立し始め、2011年には全国組織として当法人(当時はグリーン建築推進協議会)を発足、2015年に現在の法人格である一般社団法人全国古民家再生協会へと発展してまいりました。

創立当初は、古民家の市場価値や古民家鑑定士による第三者インスペクション(建物調査)、再生の基準などが十分に確立されておらず、全国の仲間とともに地道な活動を重ねながら、少しずつ信頼と実績を築いてまいりました。

私たちは設立以来、「未来の子どもたちのために持続可能な循環型建築社会を実現する」という理念のもと、日本の文化や伝統を次世代へ継承することを大切にしています。

今、日本各地には活用されずに放置された空き家や古民家が数多く存在しています。そうした建物を、地域の資源として再生・活用し、地域に新たな価値をもたらすことは、まちづくりや地域の活性化に直結する重要な取り組みです。
古民家には、先人の知恵や暮らしの工夫が詰まっています。現代の便利さに慣れた今だからこそ、改めて古民家から学び、活用することの意義を再認識する必要があると感じています。

私たちは、古民家の再生そのものを目的とするのではなく、それを通じて地域が元気になり、持続可能な社会が築かれ、未来を担う子どもたちが豊かに暮らせる環境づくりを目指しています。
一人ひとりの「考動(考えて動くこと)」が、社会を変える第一歩です。ぜひ、私たちの活動にご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

一般社団法人全国古民家再生協会
理事長 村田 智仁