ハンドプレカット工場

handprecut

ハンドプレカット工場は、全国各地で「ハンドプレカット」による資財提供を行う工場です。

 

ハンドプレカットとは

丸太組み2「ハンドプレカット」とは、大工職人が木材の状態を観察し、将来のソリやねじれなどの木の癖を見極め適材適所になるように、いわば木と対話しながら一本一本丁寧に手刻みで構造材を加工していく手法のことです。
大工の伝統技術が、家を支える構造材に強さと自然の温かさを与え、切り出された木が「人にも環境にもやさしい家の柱・梁」として生まれ変わるのがハンドプレカットなのです。

 

ハンドプレカットの仕様

ハンドプレカットには様々な特徴があります。機械による加工とは一味も違う良さをここではご紹介いたします。

 

自由な形状加工

image001ハンドプレカット加工がもっとも活きるのが、「梁」。
丸太の梁やトンネルが強いのは、「アーチ型」の形状だからです。重い屋根を支えるためには、真っ直ぐのカタチよりも、アーチを描いたカタチの方が断然強いのです。この「アーチ型」の加工は、機械(マシンプレカット)ではできません。技術ある大工の手仕事だからこそできる職人技・こだわりなのです。
加工したものは責任持ってお引き渡しさせて頂きます。

 

地元の国産木材

image003家を建てる木材も輸入された木材がよく使われます。
しかし、わざわざ海外から運搬コストと化石燃料を使って運ばずとも、地元の山には沢山の木が眠っています。
地元の気候風土で育った木を使うことで家は長持ちしますし、荒れた森林に手を入れることで森の活性化にも繋がります。
国産木材の長尺材は、林道幅の関係から輸入木材と比較して取り出しにくいため、台持ち継ぎなどの先人の知恵を活かした加工で対応します。

 

優れた自然乾燥材

image005木材の乾燥方法には自然の風で乾かす自然乾燥(Air Dry:AD材)と、短時間熱風などで機械の炉の中に入れて乾燥させる強制乾燥(Kiln Dry:KD材)という2種類があり、現在では「強制乾燥」が主流となっています。
しかし、私たちは長い年月をかけて育った木を短時間で乾燥させることには否定的です。それは時間をかけて自然の風でゆっくりと乾燥させた木材の方が、調湿作用も高く、長持ちする木材となるからです。

 

こだわりの太鼓梁

image007「太鼓梁」は、丸太の強さを残しつつ、他の小梁などとの組み合わせや意匠として美しく仕上げるのもハンドプレカットならではです。
*「太鼓梁」とは丸太の垂直方向を製材し真っ直ぐにしたもの

 

味わいある古材

image009古材とは築50年経過した古民家から取り出された構造木材のことです。
木材は時間経過とともに乾燥が進み強度が増す魔法の構造材です。千葉大学名誉教授の小原二郎氏の研究によると、樹齢100年のヒノキは伐採後100年後に最も強度が高くなり、800年から1000年後に伐採時の強度に落ちるというまさに古往今来優れた素材なのです。
長持ちして強度が高いのですから使わないと損です。

 

木材ならではのコミ栓

image011木材の接合部には普通金物が使われますが、金物は結露しやすく、結露は木材を腐らす原因にもなります。
そこで、木材の接合部には古くから使われている「コミ栓」と呼ばれる木製のピンで固定する方法を復活させました。
これなら結露の心配もありませんし、長めに作られているので、あなたのアイデア次第でインテリアとしても使うことができます。

 

古民家の耐震を支える「古民家耐震パネル型面格子壁」

image013壁の中には普通筋交いと呼ばれる斜めの部材が地震で建物が倒れないように組み込まれています。しかし、壁の中なので誰も見たことはありません。
地震から建物を守ってくれる影の立役者ですから私たちは主役として見えるように配置できる「古民家耐震パネル型面格子壁」を提供致します。
こだわりは、斜めの筋交いよりも外観が美しい「面格子」を導入したことです。この技術は、滋賀大学の高田教授と協力し、綺麗な面格子の耐震パネルを開発することに成功致しました。
>> 「古民家耐震パネル型面格子壁」について

 
 

アクセントの碍子配線

image015碍子配線とは高圧電線などで使われている電気を流す配線の固定方法です。
昔の古民家では当たり前のように使わていましたが、最近ではほとんど見る機会は減りました。理由は簡単。壁や天井の中に配線されるようになり、配線の美しさは必要とされなくなったからです。
碍子は石英など主成分とする長石質磁器製でできており、絶縁性能の高さは折り紙つきです。木材にこだわったのですから、木材につけられる配線にもこだわってみませんか?

 

大工の図面 板図

図1設計側が書いた図面をもとに、大工さんが墨付けをするために描くものが「板図」です。
柱や梁の番付をして、手刻みする部材を決めていくための図面です。通常、多くはベニヤ板に描かれることが多いのですが、それだと長持ちしません。100年後の職人のために、「無垢の板」に墨で記して屋根裏にそっと置いておくのです。

 

建前サポート

図2手刻みしたものは責任持って建前までサポートさせて頂きます。
建前(上棟)を発注頂いた工務店の大工さんと共に、こだわりを持って製作させていただいた木材を組み上げていくので安心です。

 

50年後の木材買取制度

図3ハンドプレカット工場で加工され住宅に使われた木材は経年変化で強度が増し、その住宅は築後50年経てば「古民家」となります。
その後、50年経って以降、もし解体される場合には「古材」として買取を保証する証明書を発行致します。
これは、ハンドプレカットによって加工された木材が50年経った後、「古材」としてさらに良質となったものを廃棄するのではなく、次世代の子ども達へ受け継いでいくための制度です。