ご挨拶

 皆さまもご存知の通り、日本ほど住宅を造る仕組み(構法)が多い国は他にありません。極端には、住宅を供給する企業の数だけ仕組みがあるといっても過言ではありません。在来構法ですら、政府の木造新興政策で、私の知るところだけでも百種類以上はあり、どれが在来構法か理解に苦しむところです。日本は少子化・中古住宅の空き問題もあり、住宅業界は大変難しい時代に直面していると言わざるをえません。住宅は今まで以上に長く住み続けられる環境が求められています。国の進める施策も200年住宅に始まり、超長期住宅、そして長期優良住宅と試行錯誤が現実です。

 前年度会長である佐々木氏が、1年間会員の皆様に述べてこられた「住宅を長く快適に暮らせること、住宅を持続可能な社会資産として、次の世代に引きつがれていけるにはどうするか」は今の住宅業界で一番必要なことです。

 私は「グリーン建築」には大事なことが3つあると思います。もちろん耐震、耐火性、物理的耐久性などの住宅の持つべき性能はもとより、大きな課題として【エコロジー】【エコノミー】【計画的維持管理】が必要不可欠だと思います。

 【エコロジー】は地球温暖化対策に加え、電力供給の見直しが課題となっている現在の日本では、快適性と省エネ性を両立させた、サステナブルな住まいがもとめられています。また、住まいといえどもCO2排出削減などの環境配慮が必要です。建築資材の調達から、建設・居住・解体・廃棄リサイクルにいたるまでの住まいのライフサイクルCO2を考えるとき、居住時のCO2の排出量が6~8割をしめており、低炭素化がもとめられています。京都議定書の見直しに当たってもこのところが重視され第2次約束期間に入ります。

 【エコノミー】については、光熱費や修繕費をおさえた家計に優しい住まい。温度変化が少なく、年間を通して快適に暮らせる住まいが必要です。技術的には難しいことが多いですが、グリーン建築に於いては「森林国である日本の国産木材を美しく見せる」という他のシステムの視点には無い「グリーン建築の魅せどころ」だと考えます。これも一つの住まいの快適性だと思います。

 グリーン建築推進協議会は、【エコロジー】【エコノミー】はもちろん大事ですが、【サステナブルな住まいづくりを目指すことが重要】と再認識しました。そのためには、地域の気候に適した木材で二酸化炭素を固定させるとともに、世界第二の森林国である日本の国産木材の美しさを魅せることが重要で、伝統資財を先人の知恵から学び、材料の再活用を進め、地域に受けつがれた職人のメンテナンス技術を生かしていくことがグリーン建築であり、それこそが伝統住宅から学ぶべきことと確信しました。この【エコロジー】は、省エネにつながります。

 【計画的維持管理】ですが、ここはグリーン建築であるからこそ、ぜひ皆さんと知恵を出して「グリーン建築推進協議会」流の、地域に合った【計画的維持管理メンテナンスの仕組み】を模索していきたいと思います。

 グリーン建築には、建築50年後の構造躯体買取証明書があります。その証明書があるからこそ、これと整合性をもつメンテナンスの仕組みが必要です。そして「住まい手」の方には、事前にメンテナンス費用の準備時期が理解されていることが大事と思います。これが中古住宅として流通される時の価値を決める重要なものとなるでしょう。「グリーン建築推進協議会」を構成する「古民家鑑定士の有資格者」の方と共にメンテナンス手法を考え、グリーン建築に賛同頂ける方を一人でも多く募り、一軒でも多くのグリーン建築を社会に送り出す努力をして参ります。是非共に考えましょう。今後共、宜しくお願い申し上げます。

文書引用:グリーン建築推進協議会 平成24年度総会挨拶
平成25年2月22日
グリーン建築推進協議会 会長