現在の日本の建築の現状

建築の分野では、2005年、耐震偽装という言葉で社会的にも大問題となった建築士による建築物の耐震性能の偽装は、従来自分の資産である建物を粗悪に建てたりしないだろうという建築基準法の考え方では対処が難しく、その後大きく建築基準法が改正される流れに結びつきました。

耐震基準の大きな変化を遡れば、構造種別を問わない改訂は 1981年(昭和56年)の新耐震設計基準です。この時に耐震基準が大幅に上がり、阪神淡路大震災でも、この基準に従った建物は、被害が少なかったとされています。

木造住宅では、2000年(平成12年)に大きな改正が行われました。この改正により、金物の仕様が明確になり、金物の使用する量も増え、筋かいなどの「耐力壁」の配置にも検討が必要になり、地耐力(地面の耐えられる力)に応じて基礎を選定しなくてはならなくなったため、地盤調査が事実上義務化されました。

現在は長期優良住宅として、国は長期間耐用可能な住宅を地球環境問題などの観点からも推進していますが、当初200年住宅とうたっていたものが超長期住宅と改名され、現在は長期優良住宅と呼ばれ、トーンダウンしている事は否めません。日本では200年耐用できる住宅は建築できないのでしょうか。

現在の日本の建築の現状

イギリスは住宅の寿命は141年、フランスやドイツなどのヨーロッパの国々は石造りの建物の文化がある為か住宅に寿命は100年に迫ろうかと長いのが特徴です。消費大国でモノを使い捨てるようなイメージがあるアメリカは日本と同じように木造の住宅が多いもののそれでも103年という長い寿命なのです。
対して日本はわずか30年しかありません。木造住宅だから寿命が短いのか、しかし築100年を超える古民家などは各地にまだまだ沢山残っていますし、世界最古の木造建築としてギネスブックにも記載されている、奈良の法隆寺は築1300年以上。西暦607年頃に建築され、その後の調査で現存している五重塔は7世紀後半に建築されたと言われています。ですから日本の木造住宅は長持ちしないという事ではなさそうです。

持続可能な社会とは

持続可能な社会とは経済学者のデイリーは下記の3原則を示しています。
・再生可能な資源は供給源の再生速度を超えることなく利用する。
・再生不可能な資源の利用の速度は再生可能な資源に転換する速度を超えないように利用する。
・汚染物質の排出速度は環境がそうした汚染物質を循環し、吸収し、無害化できる速度を超えないようにしなければならない。
とされています。
江戸時代はほぼ国内の資源で自給し、上記の三つを満たした持続可能な社会でした。
いまさら江戸時代に戻ることはできませんが、先人たちの知恵を学び活かすことは大切なことだと思います。